帰ってきたら









さっきと喧嘩した。

理由は鯛焼きをどっちから食べるか、 という事。

俺的には餡子が入ってない方から食べるのが良いっつってんのに、

はその餡子が入ってない部分を最後に食べるのが良いとか言いやがる。

多数決で決めようと思って、松本に意見を聞いたら、

松本は半分に割って食べる とか俺的に非常識にあたいする事を言いやがった。

まぁ別にそんなのはいつもの事。

ただ、今日はが現世に出張なので

仲直りをすることなく、お互い口を利かないままが出ていって、もう5時間が経過した。

いつもは居ると煩いのに、その煩さに馴れたせいか隊舎がやけに静かに感じる。




「やっぱ、が居ないと寂しいですねぇ」




お茶をすすりながら松本がつぶやく。




「これが本来あるべき十番隊なんだよ。」




そう言いながらも、やはりが居たほうが仕事の能率もあがる。

しかし、現世ともなると、自ら簡単に出向くこともできないので少し不安になる。





「隊長、結構さびしいんじゃないんですか?」

「馬鹿ヤロー。 変なことばっか考えてねーで仕事しろ、仕事。」

「・・・図星ですね。」

「うっせーな。」





図星だった。

動揺を隠すために茶をすすると、予想以上に熱くて舌をやけどした。

俺って、なんだかんだ言って、が居ないと駄目なんだ。













帰ってきたら、“おかえり”の一言と、ちょっと長めの口付けで迎えてやろう。