空が淡いピンクに染まる

遠くに響く虫の声

青い木々の緑

夏が来た

溜息ひとつ、

頭の上を追い越してく飛行機の音に掻き消された。








スウィートセブンティーン









「そんなことしてても、いい先輩になれないよ。」



学校に到着。

すれ違った後輩にバイバイ、と手を振ったところで、こんな一言を言われた。

どういう皮肉だ、

あまり良い意味じゃないんだろな、

よく理解できなかった言葉が胸に残る。

・・・というのは嘘っこで、まー実のところ、この言葉を発した彼女は私に嫉妬してる。

少なくとも、私はそう解釈する。

自分で言うのはあれだけど、後輩からはよく慕われる。

ただ自分で言うのはあれだけど、私って物凄く後輩にあまい。

それに突け込んでこのセリフ。

けど、べつに故意にやってる訳じゃーないし、

アンタが後輩に物凄く優しくしたところで、皆が慕ってくれるとでも思ったら大間違いだからね。

喉まで出かかった言葉を必死で飲みこんだ。

苦い― ものすごく苦いー

なんでこういう時に、すぐに我慢してしまうんだ。

って、実は聖人なのかもしれない。そんな訳ない。



「日番谷君のタイプの子ってだーれ?」



いつも通り教室でキャピキャピしている女子の集団が、学年1のモテ男、日番谷冬獅郎に尋ねたのは昼休みの出来事。



「俺のタイプ?」


「そ、好みの子、このクラスでいうと・・・誰?」



期待を込めた目で、先の皮肉女が日番谷を見つめる。

いつもは付けていないピンクのボンボンで髪を結んでいる。

当本人はモーションをかけているつもりかもしれないが、端からみればただの痛い子。



「んーそーだなー・・・」



は机の上にたれぱんだ中。

ひんやりとした机が、火照った体から熱を奪う。

ちらり、と会話が聞こえる方へと目を向ける。



「・・・、かなー?」


「「「 はぁ!!!!??? 」」」



自分の苗字が彼の口から発せられた時、本当に驚いて日番谷を凝視した。

日番谷もチラリ、とを見て、少し頬を赤く染めた。



「な、なんでなの?」


「あんな馬鹿、なにがいいのよ!?」



おーおーよく言ってくれますこと、普段は「仲良しだもんねー」って寄ってくる連中なのに。

それにしても...あの反応はちょっとオーバーヒート気味。

きっとまた明日、いろんな皮肉を言われるんだろう・・・




今日の出来事はそんなとこ。

石ころを蹴飛ばして、トボトボと家路を辿る。

ただいまー そう玄関の戸を開けるな否や、ママがすごい剣幕で睨んでくる。



「なんなの、この点数は!もうすぐ受験生なんだから、しっかりしなさい!」



だとさ。

もとからローテンションだったのが更に悪化。

たかが40点じゃない。

もー知らない知らない知らない!

まだ私、17だもん。

けどもう私、17だもん。

一人でできるけど、デリケート。

恋だってしたいけど、勇気がない。

苦い思いはもうたくさん!

うっすらと、溢れてくる涙を腕で拭う。

なんて愛しい、スウィートセブンティーン!