最近、が日番谷隊長の事を好きだと噂で聞いた。 あのが・・・ 日番谷隊長か・・・ 余りにも当たり前すぎて驚きもしなかった。 「斑目一角!」 「あぁ?」 聞きなれた声に振り向けばそこにはが立っていた。 ったく、ここなら誰にも見つからないと思ったのによぉ・・・ 「何してんの?」 「お前には関係ねぇんだよ」 身軽に俺が寝転んでいた木の枝まで上がって来た。 相変わらずお転婆な奴・・・ 「お前、たまには女らしくしてみたらどうだ?」 「大きなお世話よっ」 そう言って俺の腹を殴った。 のはぶてた顔にちょっと笑いが出る。 「何笑ってんのよ、はげ」 「それこそ大きなお世話だ・・・」 「ねぇ、一角から見た私って・・・ どう?」 「はぁ?」 「私って・・・ 男の人に好きになって貰えるタイプかな?」 「んな気持ち悪い事聞いてんじゃねぇよ」 「やっぱり、そっか・・・」 「なんなんだ、お前は・・・」 きっと日番谷隊長の事でも考えていたんだろう・・・ そう思ったし、んな事をいきなり聞かれてもどう答えればいいか・・・ その次の日・・・ 廊下を歩いている俺と弓親の耳に入ってきた噂話。 「六番隊のちゃん、日番谷隊長に告白したんだって!」 「別にそんな事珍しくないじゃん。日番隊隊長ならいつも告白されてるし」 「あ、そう言われてみればそうだよね?」 「そうだよぉ、それに日番谷隊長には好きな人がいるって噂じゃない?」 それを聞いて、妙にが心配になった。 あいつの事だ、きっと一人で落ち込んでるに決まってる。 いつも人前ではニコニコしてるくせに いざとなると一人で落ち込んでんだ、あいつは・・・ 「ちょっと、一角! 急に止まるのは止めてくれないかい?」 「わりい、俺ちょっと行くとこあっから・・・」 「私って・・・ 男の人に好きになって貰えるタイプかな?」 昨日俺にあんな事聞いてきたのもやっぱり日番谷隊長絡み。 はっきりそう言えば、隊長には好きな奴がいるって教えてやれたのに。 そしたら・・・ お前・・・ ここでこうして・・・ 泣いてなかったよな? 「何やってんだよ・・・」 が落ち込むと必ず来るこの河原で 一人で泣いてるを見つけた。 泣いてるって分かってるのに・・・ 何を聞いていいか分からずに馬鹿な事を口にした。 必死に泣いてるのを隠しながらニコニコして 俺の方を振り向くと「さぼってるだけ」って強がって・・・ 馬鹿野郎・・・ 俺の前で強がってどうすんだよ・・・ お前が日番谷隊長を好きでも・・・ 俺はずっとお前の事見てきたんだから無理して貰っても困るんだよ。 の隣に座ってそんな事を思ってた。 強がって平気な顔してつまんねぇ話をしてる。 そんなお前を見てると俺の方が辛くなっちまうから・・・ 「泣きたいなら泣けよ、強がってんの見てるとウザイんだよ」 もっと優しい事を言ってやりたいのに・・・ そうすれば俺も失恋してる事を認めてるようなもんで・・・ だからそんな冷たい事しか言えなくて。 は「悪かったわね、ウザったくて・・・」って・・・ そう言いながら我慢していた涙を流し始めた。 「見たくないなら・・・ どっかに行けばいいのに」って・・・ 馬鹿じゃないんだからそれぐらい分かってんだよ。 でも・・・ 日番谷隊長のかわりにはなってやれないけど・・・ こうやってお前の傍にいる事ぐらいしたって・・・ いいだろ? 俺にはそれしか出来ないんだから・・・ かわりにもなれない ******** 心色の心ちぁンからの頂き物。 やヴぁいね、これ、もうキュンってくるね。 切なくて、この想いのすれ違い具合がなんとも... 本当にありがとう!!! |