別れ話をしよう P.M 11:14





もう終わりだな と思う。

この店の雰囲気も、の輪郭をうっすらと浮きだたせる淡いキャンドルも、

すっかり夜の帳がおりたこの街さえも、さよならをするのにはぴったりな場所。


煙草に火をつけようとライターを探す。

幾度、に「体に悪い」と注意されただろう。

結局やめられなかったのは・・・




理由は分からない。

ただ一つだけ明確なのは、別にとの別れを見込んでいた訳ではないという事。




この煙草の火が消えたら席を立とう。

そしてと別れよう。

また灰皿に灰が落ちてく。

遠い日々が、灰になってゆく。




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