空が朱色に染まり始めて、子供達がさよならと手を振り合い家路をたどる。 もう、そんな時間。 また明日 「今日は楽しかったわ、雨竜君。」 貴女は、笑顔。 この笑顔が、現在進行形でも、未来形でもなく、過去形に変わる今この瞬間。 貴女の笑顔を永久に留めてしまいたいと思う。 「僕も・・・ です。さん。」 単調な会話。 夕日の美しさでさえ、貴女の笑顔には かないやしない。 こうして向かい合っていると、いよいよ別れの時間が近付いているのが分かる。 どうせなら、時間も永久に止まってしまえばいいのに。 “さよなら” その一言が、どうしても言えない。 貴女の手をギュッと握り締める。 「…また明日、この場所で…会って、くれますか」 この言葉を出した自分に驚いた。 きっと、貴女が好きで好きで好きで・・・ たまらなく大好きなんだ。 「もちろん」 貴女はまた笑顔。 “また明日” その言葉での約束が、僕をこの現実と繋ぎとめているんだと思う。 貴女のその夕日に消えてく後姿が、言葉で言い表せないくらい 愛おしくて、たまらない。 |